PowerMac 6360


PowerMac 6360はPowerMac 5400、6400とは姉妹機に当たる小型デスクトップタイプのマックです。アメリカ専用モデルですが、同様のモデルが日本ではPowerMac 6300/160の名称で販売されていたようです。

6360のコンパクトな筐体が気に入っていることもありますが、筆者は古い周辺機器を幾つか使っており(Personal LaserWriter 4/600、シリアル接続のラベルプリンター、SCSI接続のシートフィード型スキャナー)、シリアルポートやSCSIポートを持つ旧世代のMacがどうしても必要です。周辺機器を最新のものにアップグレードしてしまえば良いと言われればそうなのですが、トナーカートリッジの買い置きがまだまだ残っていたり、同等のものが最新のMac用には販売されていない、などの理由でなかなかそういう訳にもいきません。

そういうわけで6360をいろいろとアップグレードしながら、まだまだ現役で使い続けています。


コンパクトな筐体

6360は高さ、幅、奥行きがそれぞれ11cm、32cm、42cm、パワーマックの中でも最小のモデルです(Cubeは除く)。この筐体はQuadro 630(LC 630)で初めて採用されたもので、「Quadro 630 Form Factor」と呼ばれています。その後640シリーズ、6200シリーズ、6300シリーズと受け継がれ、6360がこの筐体を使った最後のモデルとなりました。

フロッピードライブ、ハードディスク、CD-ROMドライブを内蔵させて、出来る限り小さく押し縮めたという感じのコンパクトなデスクトップ機で、机の上においても邪魔にならず、なかなか優れたデザインだと思います。

 

ロジックボード

6360にはAlchemyと呼ばれるロジックボードが使われています。Alchemyは5400、6400にも使われていて、PCIスロットを持つためUSBカード、Firewireカードなど様々な機能拡張が可能になっています。またL2キャッシュスロット用のG3カードもいろいろと市販されているので、今日でも実用的に使用することができます。

後継モデルのPowerMac 5500、6500にはAlchemyを強化したGazzeleというロジックボードが使われています。主な強化ポイントは 1)CPUの速度がAlchemyの160〜200Mhzに対して225〜300Mhz 2)システムバスのクロック速度が40Mhzから50Mhzにアップ 3)オンボードビデオがATI Rage 3Dにアップグレードしてビデオメモリも1MBから2MBに倍増。

AlchemyとGazzeleはピン配列が全く同じため、5400、5500、6360、6400、6500等は相互にロジックボードを入れ替えることができます。ただし6400のロジックボードはCPUクーラーのフィンが大きいので、6360に入れるとPCIスロットが使えなくなります。6300シリーズでも160MHz以外のモデルはロジックボードが全く異なっており、アップグレードの方法はほとんどありません。

 

アップグレード

6360の最も一般的なアップグレードは前述のGazzeleロジックに交換する方法です。 GazzeleにアップグレードするとCPUが高速なものになるだけでなく、システムバスも50Mhzに向上することもあって、随分パフォーマンスが改善されます。しかしそれでも603eの300Mhz止まりなので、IEを使うにはちょっとパワー不足。やはりG3のアクセラレータをつけると随分違います。筆者はPowerMac 5500/225Mhzのロジックボードに交換した上でSonnet Techonology社のCrescend L2 300Mhz/512Kを取り付けています。アクセラレータの装着は2次キャッシュカードを取りはずして、アクセラレータカードを挿入するだけ。

 

クロックバッテリー

Alchemyのクロックバッテリーは4.5Vのタイプです。普通の電気店では売っていないので、通信販売で買うことになりますが、結構高くて送料を含めて20ドルくらいします。有名な某中古ショップのサイトを見ると何と39ドル(!)。3.6Vのタイプであれば、カメラ用の3Vのものが安価に流用できるらしいですが、4.5V用には適当なものが見つかりません。しかしウェブ上でサーチしてみると、乾電池3つを直列につないだもので代用できるという記事があったので、私も自作してみることにしました。

 

自作といってもきわめて簡単。まずラジオシャックという電気パーツ店で乾電池3つを納めることができるホルダーを買ってきました。できるだけ小さい方がいいので単四電池用です。都合よく赤と黒のリード線が付いています。元の電池からアダプターとリード線を切り取ってつなぎます。ハンダ付けしたほうが良いのでしょうが、私はコードを撚り合せただけです。絶縁用のテープを巻いて出来上がり。ホルダーの裏側にマジックテープを貼り付けて、元の電池があった場所に固定します。隣接したチップ上に若干はみ出しますが、まあ何とか問題なく収まりました。これでもう電池切れの問題からは永久に開放されたことになります。

写真ではコードが随分長いので、もっと短くした方がいいでしょう。実は最初電池ホルダーをバックプレートの裏側に貼り付けようと思ってコードを長く取ったのですが、実際にやってみるとシャーシと干渉してロジックボードが挿入できなくなることが分かりました。それで結局、元の電池があった場所に変更したのですが、面倒なのでコードは長いままにしてあります。

 

ビデオ回路

Alchemyの内蔵ビデオ回路はグラフィックアクセラレータを持たず、VRAMも1MBしかありません。16ビットカラーでは800x600が限度です。一方GazzeleはATIのRage 3Dを搭載しVRAMも2MBありますから、1024x768で16ビットカラー表示が可能になっています。いずれにしても専用のビデオカードを取り付けたいところですが、そうすると1基しかないPCIスロットを占有してしまい、他のカードが使えなくなります。この辺りは大いに迷うところで、せめて6400、6500のようにPCIスロットが2基あればよいのですが。 私はGazzeleのオンボードグラフィックで我慢して、PCIスロットにはUSBカードを取り付けています。